幼稚園や保育園で友達がいない、と寂しそうに我が子に言われると、胸をえぐられるような悲しい気持ちになりますよね。
また、子供は気にしていない様子でも、いつもで一人でいると心配になってしまうものです。
園で子供に友達ができない場合、親はどうしてあげればよいのでしょうか。
友達がいない、できない理由として以下のことが考えられます。
①新学期でまだクラス全体が馴染めていない
新しい環境になったばかりでは、子供も自分の事で精一杯です。
進級児の場合でも、前のクラスで仲の良かった子と離れてしまうこともあり
ますし、長期の休み明けの場合でも、生活のリズムを取り戻す方が先になります。
ある程度の日数が経てば、次第に周囲へ目を向けてゆきますが、気持ちが落ち着くまでには個人差があります。
新学期開始から1、2ヶ月程度は、様子を見守りましょう。
②友達の必要性を感じていない
お子さんの性格による場合もありますし、成長に伴い次第に友達が欲しいと思うようになることもあります。
園で一人で過ごしていても、本人が気にせず楽しんでいるようであれば大丈夫です。
③話しかけるのが恥ずかしい、人見知りしてしまう
こちらもお子さんの性格によるところが大きいです。
ある程度時間が経てば、少しずつ解決しますが、本人のペースで行動してゆくしかありません。
無理に友達を作らせようと、プレッシャーをかけないようにしましょう。
一番もどかしいのは、お子さん自身です。
挨拶や、話しかけてくれたお友達には返事をしてみるように促し、それができたと報告があれば、たくさん褒めてあげてください。
この場合は、友達を作るどころではないという状態です。
不安の原因がお母さんと離れることが嫌だという場合は、まず通園に慣れることを優先にしましょう。
お迎えの時や、近所に同じ幼稚園のお友達がいれば、積極的に交流してみてください。
一緒に登園したり、お母さんが幼稚園のお友達やそのお母さんを知っている事で、不安を取り除くことができるかもしれません。
そして降園後には、幼稚園に行けたことをまず褒めてあげてください。
幼稚園でのことを詮索する必要はありませんが、もしお子さんが幼稚園の話をしてきたら、ゆっくり聞いてあげましょう。
また、友達に意地悪をされたことが不安の原因の場合は、先生に相談してみましょう。
この場合、我が子がイジメられた!と感情的にならないようにしてください。
相手の子もまだコミュニケーション能力が未熟な幼児です。
悪意があったのか、それともお子さんに話しかけたかったけれど、やり方が
ダメだったのかを、その場にいなかった親が判断することはできません。
ナーバスになっているお子さんが、相手の子に対して過剰に反応してしまった、という場合もあります。
今後、相手の子とお子さんが仲良くなる可能性は十分考えられます。
怖がる我が子を見て、胸が痛むと思いますが、冷静に相談し、先生を信頼して対処してもらうようにしましょう。
⑤友達は欲しいが、どう話しかけたらいいのか分からない
幼児のコミュニケーション能力の差は、個性もありますが、上の兄弟姉妹の有無など環境による影響や、月齢によるものもあります。
おしゃべりが好きで、自分の気持ちを表すのが上手な子もいますが、どう話しかけたら良いのか分からない子も当然います。
そのような場合はぜひ、お子さんと会話の基本を一緒に練習してみてください。
キャッチボールでコミュニケーション能力を高める遊びの方法です。
楽しみながら時間をかけて、お子さんの気持ちを聞いてみたりしてください。
➅感情を上手く表現できず暴力をふるってしまう
噛んだり、つねったり、叩いたりというようなことは、幼児期には日常茶飯事です。
ケンカをして仲直りしながら、社会で生きてゆく術を学んでゆきます。
ですが、日常的に暴力をふるっているのであれば、その原因の除去に努めましょう。
幼児が園で暴力をふるう場合、家庭では良い子の場合がほとんどです。
つまり、家庭の外で、ストレスを発散しています。
ストレスを除去していく事により、暴力は次第に減ってゆきます。
下の子が生まれたなどの家庭環境の変化があれば、お母さんはとても大変ですが、やはり上の子を特に構ってあげて安心させましょう。
特に環境の変化によるものでなければ、躾けが厳しすぎないか、または過干
渉や先回りして世話をし過ぎていないかなど、子供との接し方を見直してみてください。
また、嫌な事をされた時に、どうしていいかわからず、暴力を振ってしまう場合もあります。
嫌な事をされたら、言葉で「やめて」と言うなどの対処法を具体的に教えるようにしましょう。
お母さんとのシミュレーションも効果的です。
また、困った事があれば先生に頼るように伝えましょう。
暴力をふるってお友達が泣いてしまった時点で、お子さんは悪いことをしてしまったと気がついています。
暴力をふるう事を叱るのではなく、なぜいけないのかを教えてください。
そして、謝ることができたときは、褒めてあげてください。
時間はかかりますが、原因を排除してゆけば、暴力をふるうことは無くなってゆきます。
幼稚園や保育園は、こどもにとって、人生で初めての自由な出会いの場です。
家庭内の人間関係が中心の生活から、初めて他人と長い時間を共にし、社会で生きてゆくということを感じ始めます。
まだ、自分自身のことも、周りにどういう人達がいるのかもよく理解できていない時期です。
それでも、手探りで他人とつながっていこうと頑張っています。
お互いを理解しあえる友人を見つけるのは、まだまだ先のことです。
幼児の友人関係というは、児童や青年のものより柔軟で流動的です。
お子さんの自分の人生を切り開いてゆく力を信じて、今、お友達がいないとしても、まずは温かく見守ってあげてください。
友達がいない寂しさを感じているかもしれませんが、その経験も今後の糧となり、お子さんの人生をきっと豊かなものにしてくれることでしょう。