今回は、男性が女性の声を出す、いわゆる「女声」の出し方についてのお話です。
女声を出せる男性は通称「両声類」と呼ばれています。
女性らしい高音から男性の低音まで自在に操れる、まさに声の魔術師といってもいいのではないでしょうか。
そこで、女声の練習しているときに参考になる方法をまとめてみました。
地声が低くても大丈夫!
まず、女声を出そうとするときに必要なのはなんでしょう。
とりあえず声を高くすればいいと思いがちですが、実はそうではありません。
女性と男性の声の高さは0.5オクターブほどのわずかな違いなんだそうです。
ではどうすればいいのかというと、音の響きを女性に似せればいいんです。
つまり、地声の高さに関わらず、誰でも女声は出せるということです。
女声の響きについては後述するとして、まずは次にご紹介する発声練習法にトライしてみてください!
女声練習法いろいろ
次に、女声を出すための練習法を集めました。
コツをつかむのが難しいものもありますが、いろいろ試して自分に合ったものを見つけてください。
「ア~」発声法
まず地声で「ア~」と発声し、次に出せる高さの裏声で「ア~」と声を出します。
その状態から口を「エ」の形に広げていきます。
難しい場合は、まずは安定した裏声が出せるようカラオケなどで練習しましょう。
ちなみに、裏声を使うとロリっぽいイメージのかわいい声になります。
「ラ~」発声法
ラの音を30秒以上出すように練習するだけです。
また、より会話に近い声を出す女性演歌歌手の歌を聞き、歌ってみましょう。
地声が低いという方でも、毎日音楽を聴きながら歌っていると、しだいに高音体質になっていくようです。
磯野一家のモノマネで歌う
歌いながら、一小節ごとにサザエさん一家のモノマネをしてください。
腹式呼吸を忘れずに、男キャラ→女キャラと交互に続けるのがコツです。
- (サザエ)はーるがきーた はーるがきーた
- (マスオ)どーこーにーきたー
- (フネ)やーまにきーたー さーとにきーた
- (波平)のーにーもーきたー
こんな具合です。
重要なのは、モノマネを似せることではなくて幅広い音域を自在に行き来する訓練です。
この訓練は、はっきりした発音と幅広い高低域を習得できます。
メラニー法
これは、自身も性同一性障害を抱えるアメリカのメラニー・アン・フィリップス氏によって開発された方法です。
のどを細めるように意識し、喉仏を使わずに発声することで、女声らしい響きをつけます。
コツとしては、うがいをするときのようなのどの形を作って、鼻にかかったような高い声を出すことです。
ちなみに、このメラニー法が正しく使えているときは上の声帯は震えず、下の声帯が震えます。
自分の喉を触って震えを確認しながら練習してみるとよいかもしれませんね。
もっと詳しく知りたい方はコチラの動画をご覧ください。
より女声らしく響かせるコツ
発声をマスターできたら、次は女性らしい響きのクセを身につけましょう。
言葉で言うのは難しいのですが、アニメの女性キャラソンなどを聞いてみてください。
歌の節々で、歌い終わりのお尻の部分で音が上がっていることがわかると思います。
これは俗に言う「しゃくり」というテクニックなのですが、女声で歌う場合は後ろにしゃくりを入れるとより本物っぽくなります。
喋り方のコツは、とにかくアニメキャラの真似をすることです。
声優さんは声で感情を表現するため、多少オーバーな演技になっていることもありますが、それがかえってよい練習材料となります。
これだけは注意して!
男性が女声を出そうとするときには、ふだん使っている喉の筋肉とは違う使い方をします。
それだけ喉に負荷もかかるということなので、喉を痛める原因にもなります。
喉に不調を抱えながら、さらに喉に負担のかかる発声を続けてしまうと喉がつぶれ、元の状態に戻るまでに時間もかかってしまいます。
「なんだかおかしいな」と感じたら、絶対に無理をしないで下さい。
風邪を引いているときも、練習はお休みしましょう。
女声を練習している方のブログを読んでいると、練習を始めてだいたい1ヶ月から1年で女声を出せるようになるそうです。
また、練習するときには、小さな声でボソボソと言うのではなく、しっかりと息(声)が前に届くように発声することが大切です。
気長に頑張ってみてください!