職場や学校で、やたら咳払いをする人っていますよね。
上司や先輩に咳払いされたり、すれ違う時に見知らぬ人にされたりすると、もしかして何か気に障った?と心配になってしまいませんか?
ドラマやアニメなどで、余計な事を言ったり行ったりする人に咳払いをしてさりげなく止めさせている描写が多いので、なんとなくそう思ってしまいますよね。
特に、明らかに風邪気味では無いと思う人が急に大きな咳払いをすると、なんだか嫌な感じがしますよね。
実際、わざと咳払いをして相手に嫌な思いをさせている人もいるでしょう。
しかし、ちょっと待ってください。
それって本当に故意に行っているのでしょうか?
もしかしたらその人にたいして、大きな勘違いをしてしまっているかもしれませんよ?
咳払いってどういう時にするの?
異物がつまりそうになる、部屋の乾燥やアレルギー
そもそも咳払いは異物を出すために行うものですので、異物が入った場合はしないと苦しいです。
突然、上司が咳払いをするとドキッとしますが、ただ食べていたお菓子や飲み物が喉の奥に入りこんでしまっただけかもしれませんよ。
部屋が乾燥していると案外辛いものです。
乾燥で喉に何かが詰まっているような感覚がして思わず咳払いをしてしまうこともあるでしょう。
また、アレルギーは蕁麻疹や皮膚が腫れるイメージが強いですが気管支に影響が出る場合も多いです。
ハウスダストやダニなどのアレルゲンに反応して、咳や咳払いをする可能性もあります。
加湿器や空気清浄機を置くとかなり改善すると思います。
風邪や、肺炎、肺癌などの病
咳払いとはそもそも、喉にある異物を取り除こうとするために起こるものです。
風邪で一時的に痰が絡み易くなっている、などの理由でも起こります。
咳と併発し、痰が絡んだ状態が長く続くようであれば、肺炎や肺結核、気管支炎、または肺癌などの大きな病の可能性もあります。
たかが咳と思わずにすぐに受診しましょう。
チック症
そして、病気には見えない、異物を引っかけたようにも見えない。
なのに、友人や子ども、配偶者が常に癖で咳払いをしている。
気になる咳払いで一番多いのがこのチック症です。
チック症とは、幼い子どもに多くみられる心因性の病気です。
咳払いの他にも、足を鳴らしたり瞬きの頻度が上がったり、鼻を動かしたり首を振ったりと様々な動作が現れます。
- 子どものチック症
上記のように、幼稚園や小学校に通う幼い子どもに多く、学年に何人かいてもおかしくない、程度には珍しく無い病気です。
子どもの場合は一過性のものも多く、成長の過程で自然と消えていく場合がほとんどです。
私が今まで見た原因としては、弟や妹が生まれたことにより自分から両親の興味が逸れた(と思いこんでいる)ストレス、可愛がってくれた祖父母や親戚が亡くなった、学校の勉強や雰囲気についていけない、近くに習い事の発表会やコンクールがある、など、特別深刻な家庭事情がある、と言う場合では無い事も多いです。
気付いても「止めなさい」と叱ったりすると余計に酷くなる場合があります。
ゆっくりと触れあう機会と落ちつける環境を作ってあげて、さりげなく心配事をきいてみましょう。
どうすればわからない、と言う場合は、何度も言うようですが決して珍しい病気ではありませんので、信頼のおける担任の先生やかかりつけの医師などに相談してみましょう。
- 大人のチック症
子どものころのチック症が治らずに重症化、慢性化してしまう場合があります。
これがさらに酷くなると、トゥレット障害という病気になり、完治は難しくなります。
ストレスを抱えている人に多くみられるとのことですが、遺伝や先天的な障害などさまざまなことが言われておりはっきりとした原因はわかっていません。
チック以外に気になる事が無いにしろ、一度、精神科や心療内科を受診することをおすすめします。
自覚がある場合がほとんどで、治したい、と思っている方も多いはず。
精神科に抵抗がある方も多いと思いますが、最近では、綺麗でおしゃれな院内であったり、カウンセリングだけで薬の処方が無いところや、たくさん医師がいて、信頼のおける医師を選べる病院など、何かとストレスの多い現代社会で、精神科や心療内科は環境も整っている場合も多く、敷居が高いものでもありません。
周囲の人のこころがけとしては、子どもの場合と同じく、指摘すると悪化する場合があります。
チックが出ていてもそこには触れず、今日あった事、楽しかった事、辛かった事を話したり、リラックスできる環境を整えてあげるなど、ストレスを取り除いてあげるようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
咳払いにも、さまざまな病気が隠れている場合があります。
あきらかにおかしい、という場合は大きな病気が隠れているかもしれません。
不安を取り除く意味でも、受診して検査を受ける事は大事なことです。
身内の咳払いに苛々していた人?
もしかしたら、咳払いをしている本人は、その咳払いにもっと苦しんでいるかもしれません。
これではお互いに苛々を募らせてしまって関係も症状も悪化してしまいます。
まずは自分自身、ストレス解消を心がけましょう。
ストレスが多い人の隣はどうしてもストレスになります。
そして、早めに病院を受診し、一緒に治して行こうという意志を伝えましょう。