失声症という病気を知っていますか?
あまり馴染みの無い病気ではありますが、芸能界の方々や皇后美智子さまなども患われたことがあり、耳にした事がある方も多いと思います。
声が出せなくなる病気はたくさんあります。
風邪で喉を痛めてしまった、カラオケで歌いすぎてしまった、しゃべり過ぎてしまったなどという事は私もよくありますし、大抵は1日から長くても3日程度で治ってしまいます。
または、声帯や口腔内に腫瘍などの病変が出来てしまったというものや、脳の機能障害が原因で言葉を発することができなくなる失語症などもあります。
しかし、これらの病気と失声症とは、原因も治療法もまったく異なります。
では、失声症とはどのような病気なのでしょうか?
失声症になる原因やこれから起こる可能性、そして治療法について調べてみました。
失声症とはどんな病気?原因は?
失声症とは、読んで字のごとく、声を失う病です。
喉が痛いわけでも無い、声帯や脳に病変があるわけでも無い、しかしある日突然声を出す事ができなくなる、そんな病気を指します。
失声症の特徴
- 発声器官(喉や声帯)や脳に異常が無いのに声を出す事ができない。
- 人によっては、かすれ声やハスキーボイスになり言葉を発せなくなるという場合もある。
失声症の原因
- 強いストレスに晒され続けること。
- 精神的なショックを受ける事。
など、強い精神的ストレスが原因とされます。
そして、発症するほとんどは女性と言われていますが、その原因はわかっていません。
声、と言いますとどうしても声帯や喉を思い浮かべますが、それよりもアニメやドラマでよく表現される、一度大きな怪我をして歩けなくなり、しかし数カ月数年経っても足が治っているのに歩く事ができない人、などに近い感覚だと思います。
ちなみに、喉の痛みで声が出ない場合は風邪や扁桃腺の炎症が疑われます。
そして、呂律が回らない、言葉が浮かんでこない、足元がふらつくなどの症状の時は脳卒中など、脳の病気を起こしている可能性もあります。
命にかかわりますので悩む前にすぐに病院を受診しましょう。
いずれにせよ、失声症の最終的な診断は医師では無いと確証は得られません。
どんな場合でも病院の受診をおすすめします。
どのくらいで治るの?治療法は?
まず、お近くの心療内科や精神科へ相談に行きましょう。
そして、カウンセリングを行い、ストレスやショックの原因を明らかにしていきます。
場合によっては精神安定剤の服用や、また箱庭療法と呼ばれる治療法も使われることがあります。
これは、セラピストが見守る中、箱の中に自由におもちゃを入れて行くという治療法です。
欧米などで行われていた治療法ですが、近年日本でも頻繁に行われるそうです。
精神的なものですので、そのストレスの原因や患者の状況によりますが、数日で治ってしまうものもありますし、1週間程度で良くなる人も多いそうです。
しかし、数週間かかる場合、中には1ヵ月や半年、1年と続く方もいるようです。
受け続けたストレスに加え、声が出なくなると言うのはとてもショックなことかと思います。
しかし、焦らずに精神科や心療内科の先生、カウンセラーの方々とゆっくり相談していき、原因と治療法を見つけて行きましょう。
ストレスは敵度に解消しましょう!
職場で、家庭で、学校で、ストレスと言うのはどうしてもつきまとってきます。
そして、最初は小さなストレスであっても積み重なるうちに大きな不調の原因になってしまう場合もあります。
ストレスの解消を自分なりに見つけておくと良いでしょう。
睡眠
寝不足は、ストレスを溜める事にも繋がります。
眠る事だけで、人は多くのストレスを解消できているのです。
どうしても眠れない、という方は、暗闇の中で目を瞑っているだけでも、熟睡ほどでは無くとも効果が得られるようです。
リラックスできる音楽や、リラックス効果のあるラベンダーの香りの芳香剤などを用意するのも良いでしょう。
また、寝る前に携帯電話やパソコンの光を見る事は、熟睡を妨げる原因にもなります。
私もついついやってしまいますが、せめて1時間前には携帯電話やパソコンの作業を止めたいですね。
趣味の時間を持ちましょう
仕事が忙しくてなかなか…という方は多いと思いますが、自分の好きなことに没頭する事は、疲れを忘れ、清々しい気持ちにしてくれます。
最近手につかなかった趣味があるという方。
休日を利用して気分転換にやってみてはいかがでしょうか?
友人や家族との時間を過ごしましょう
その日の苛々や、楽しかったこと、悔しかったこと、話すだけで胸がすーっとしませんか?
心を開ける人がいるのならば、溜めこまずに吐きだしてしまいましょう。
それが根本的に解決しなくても、誰かに聞いてもらえたということはそれだけで苛々の解消に繋がります。
ストレスが強いと感じた時に必要な栄養素
ビタミンB群C群やミネラル、たんぱく質などがストレスによって多く消費されると言われています。
豚肉やレバーなどビタミンB1を豊富に含む食品、ブロッコリーやほうれん草、かぼちゃなどの緑黄色野菜、乳製品や小魚、きりぼし大根などミネラルを豊富に含むものを取ると理想的です。
ストレスは過食の原因にもなり、体重増加などでさらに体調を悪化させてしまう場合もあります。
緑黄色野菜たっぷりのスープや、きりぼし大根の煮物などお腹も満たされ、かつ低カロリーで栄養素を補う事もできます。
また、寝る前に一杯のホットミルクを飲むと、体を温めてリラックスすることで安眠を助け、さらにカルシウムやたんぱく質の摂取もできるので、ストレスで眠れない夜におすすめです。
もし失声症になってしまっても、焦らずにゆっくりと自分のペースで
いかがでしたか?
上でも書きました通り、失声症の治療は人によって原因も治療期間も様々です。
焦らず、ゆっくりと治していきましょう。
治療中は無理をせずに、仕事や家事なども出来る範囲で行いましょう。
ストレスを無理に解消しようとすると、かえってそれがストレスになってしまうようです。
気になる事がたくさんあるでしょうが、まずは落ちついて治療に専念していきましょう。
最後に、家族が失声症のなった方は、自分が原因だろうかと責めてしまう場合や、どうしたら良いのかわからずパニックになってしまう人もいらっしゃるようです。
みんなで焦っていても、悪循環になるだけです。
一緒に病院へ行き、一緒にカウンセリングを受けるのも良いでしょう。
家族の中で治療の方法を明確にして、患者さんと一緒に、リハビリを行うことができます。