のどがヒリヒリ。
唾を飲み込むのも痛い・・・。
そこにきて、高熱、頭痛、関節痛などもよく一緒に起きてしまう、それが扁桃腺炎(扁桃炎)と呼ばれる病気です。
子どもがよくなる病気ですが、大人も抵抗力が弱っていると感染ります。
原因はウイルスや細菌ですが、今回はこの扁桃腺炎についてのお話。
病院に行って薬をもらえば、通常2~3日でだいぶマシになります。
特に細菌が原因の場合は、抗生物質がよく効くので、2日もあれば登校・出勤できるような体調になることもしばしばです。
患者本人の体力次第ですが、若い人で特に持病のない人であれば、通常は自然治癒します。
喉が痛いため、なかなか食べ物を摂ることが難しく、油断するとひどくなって肺炎などを起こす場合もあるため、痛くてもしっかり栄養だけはとるようにしましょう。
比較的軽症の扁桃腺炎なら、病院に行かずに自然治癒に任せる方法もよいですが、
- 痛くて食べることができない
- 喉の腫れがひどい(顎のラインの下を触ったときに明らかに普段より腫脹している)
- 腫れた扁桃に白いもの(膿栓)がついている
- 38.5度を超える熱
- 耳だれがでる
などの場合は病院を受診した方がよいでしょう。
扁桃は、上気道における免疫の拠点とも言うべき場所です。
しかし、逆に言えば出城のように、ウイルスや細菌の襲撃を受けやすい場所、と言うこともできます。
満船扁桃腺炎の場合
子どもがかかりやすい、と上述しましたが、その要因の一つが、扁桃そのものの変化です。
扁桃は2~3歳くらいから発達し、学童期にもっともよく発達し、その後少し小さくなります。
ですが、人によっては扁桃が大きいままの場合、或いは生まれつき扁桃が他人より大きい場合もあります。
その場合、扁桃が炎症を起こしやすくなり、一年に何回も扁桃腺炎を患うこともあります。
この状態を慢性扁桃腺炎と呼び、対処方法として手術で扁桃を取ってしまう、という選択肢もあります。
扁桃の働きを考えれば、そう簡単にホイホイ取ってしまってよいものではありませんが、あまりにひどい場合はこういった選択肢もある、ということです。
慢性扁桃腺炎についてはこちらもご参考下さい↓
急性扁桃腺炎の場合
慢性扁桃腺炎、というのに対し、急性扁桃腺炎と呼称されるのが、いわゆる扁桃腺炎のことです。
さて、慢性扁桃腺炎の項目でも「大きいと炎症を起こしやすい」と書きました。
扁桃が炎症を起こして腫れる、というのはつまり、扁桃が大きく腫れ上がる、ということです。
つまり、炎症が起きかけている状態=少し扁桃が大きくなっている状態のときは、更に炎症を起こしやすくなるのです。
(理屈としては、大きくなると粘膜の表面積が増え、また気道にせり出してくるため、乾燥を起こしやすい、乾燥は粘膜の防御力を落とし、病原体が繁殖しやすくなる・・ということになります)
そこで、炎症が起きかけているときに、炎症を止める薬(鎮痛消炎薬)を飲むのが効果的です。
但し、鎮痛消炎薬の多くは胃に負担をかけます。
炎症の起きかけくらいであれば、痛みはひどくないはずですので、きつい薬は避けましょう。
無難なのは、アセトアミノフェン(病院ではカロナール、という薬で処方されることが多いです)を主成分とした薬がよいでしょう。
医師の処方箋がなくても、普通の薬局で買える薬なので、薬剤師さんに「アセトアミノフェンの薬をください」といえば教えてくれるでしょう。
そもそも予防できれば一番ですよね。
今扁桃腺炎で苦しんでいる方は、再びかからないようにするためにも、予防方法を押さえておきましょう。
まずは風邪予防の基本、手洗いうがいです。
扁桃腺炎の原因はウイルス、細菌などである、と上述しましたが、それらの侵入を防ぐのに有効な手段です。
さらに、睡眠・栄養(特にビタミンC)をしっかりとって免疫力を落とさないこと。
そして、扁桃腺炎にかなり有効なのが、マスクの着用です。
マスクは、飛沫感染を防ぐ意味もありますが、扁桃腺炎予防の観点から見ると、一番の効果は「喉の保湿」です。
特に寝ている間は唾液の分泌量も減り、非常に喉が乾燥しやすい(朝起きたら喉がガラガラだった・・・なんて経験、皆さんにもありませんか?)ため、睡眠時にマスクをつけることをオススメします。