6歳くらいのお子さんの前歯がぐらぐらしてきたら、永久歯に生え変わる時期かも、と思いますよね。
順調に成長していて、とても喜ばしいことです。
でも、なんだか生え方がおかしい・・・?
だんだん生え変わってきたけれど、この歯は、乳歯と永久歯どっちだっけ・・・?
歯が全て生え変わるには時間かかります。
その間に生じるかもしれない疑問について、確認してみましょう。
乳歯は生後8か月頃から生え始め、2歳半から3歳頃にかけて生えそろいます。
一方、永久歯は6歳頃から前歯が生え変わり始めて、親知らずを除く28本が生え揃うには、6~7年かかります。
ちょうど小学校へ入学してから卒業するくらいまでの間ですね。
ちなみに、親知らずは生えてこない人もいますが、生えてくる人は17、8歳頃が目安の時期となっています。
詳しい生え変わりの様子はこちらをご覧ください。
永久歯と比較した場合の乳歯の特徴は以下のとおりです。
- 乳歯の特徴
色:白(永久歯はやや黄色っぽい)
大きさ:永久歯より一回り小さい
強さ:象牙質・エナメル質は永久歯の半分程度 石灰化が不十分で柔らかい
よく、大人になると歯の黄ばみが気になりますが、永久歯自体が少し黄味がかっていることも、一つの原因です。
大きさは永久歯より小さく、強度も比較すると弱いということがわかりますね。
このため、永久歯に比べて乳歯は虫歯になりやすいと言われているのです。
二重に生えてきた場合
一般的に、歯が生え変わるときは、乳歯がぐらぐらして抜けると永久歯が顔を出していた・・・という状況を想像すると思います。
しかし、乳歯が抜けていないのに、乳歯の裏側、つまり舌側の方から永久歯が生えてくることもあります。
乳歯と永久歯が二重に生えている状態で、これを二重歯列と言います。
乳歯には、永久歯が生えてくる場所をガイドするという役割があります。
乳歯の下で永久歯が発育して生えていくことを萌出運動といいます。
通常、萌出運動が始まり、永久歯が乳歯の根に接触すると、吸収を起こして永久歯を引き込みます。
次第に乳歯の根は溶けて歯は抜け落ち、そこから永久歯が顔を出します。
しかし、萌出経路が偏ってしまった場合、乳歯の歯根吸収が十分に行われず、どちらも存在する二重歯列が生じてしまうのです。
もし、このような状態であれば、自己判断で乳歯を無理に抜いたりしないで、歯医者さんへ行くようにしましょう。
すぐに乳歯を抜く必要があるかどうか、診察の結果、判断されます。
しかし、その後の歯並びがどうなるのか気になりますよね。
乳歯を抜歯した場合でも、経過を見た後自然に抜けた場合でも、内側に生えた永久歯は次第に唇と舌の力のバランスの取れた本来の位置へ動いていきます。
よって、二重歯列だったからと言って必ず永久歯の歯並びが悪くなるというような訳ではありません。
経過観察をしつつ、生え揃った時期に矯正の必要性の有無が判断されることが多いようです。
歯の生え変わりや口内の状況はかなり個人差があり、また長い時間がかかります。
気になったら、歯科医の診察をうけて必要な処置をしてもらい、あまり心配しすぎないようにしましょう。